犬の新説進化論
「犬は短い時間で驚異的な進化を遂げた生物である」
狼が人に飼い慣らされていく過程で犬になったという定説があるが、それが今、新説によって揺らいでいる。
旧ソ連でキツネの毛皮を売るために野生のキツネを捕獲して施設で繁殖するプロジェクトがあった。
しかし、野生の動物は警戒心が強く、ストレスから繁殖しない個体も多くいた。
そこで人間が近寄ってキツネが逃げるまでの距離、逃走距離を調べた。そして逃走距離が長い個体を繁殖から排除した。
すると驚くべき現象がすぐに起きた。
まるで犬のように毛色、柄、体格に個体差が生まれ、次第に人になつくキツネも生まれた。(このキツネは今でもロシアで見ることができる)
実際は、当時逃走距離とい概念はなく、偶然の産物で逃走距離による選別が行われたが、これは石器時代の狼に当てはめることができる。
人類がとある土地で定住を始めた頃、その周りに狼もいた。(ちなみに世界中の犬のミトコンドリアのDNAを調べているらしいが、とある土地とは東アジアらしいことが解っている)
その人間の集落のある環境は、新たに生まれた今までに無い環境で、狼たちが有利に生存競争で生き残るには、その環境に適応することが求められた。
人間が住めばゴミが発生する。現在でもゴミ捨て場には野生の動物が漁りに来るように、その当時も野生動物が確実にありつける食料を求めてゴミ捨て場に集まった。
狼たちがその争奪戦を勝ち抜くには、人間がゴミを捨てるのを待ち構えていて捕るのが一番確実だ。遠いところで人間がゴミを捨て立ち去るのを待つより、より近いところで待ち構える方が生存競争において有利だ。それはすなわち逃走距離が短いものが勝者となる。
淘汰された結果、先程のキツネのように毛色や柄、体格に個体差が現れ、より逃走距離も短くなり、人になつくようになった。
自ら、環境の変化により進化したのだ。
それは恐らく、人間の一生分くらいの短い時間で起こり、その変化を目の当たりにした人間は犬を神格化した。
各地の壁画に神や神に使えるものとして犬が描かれている。
これが狼から犬への新説進化論。
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